ECM 1575-80 Keith Jarrett ‘At The Blue Note’ (1995)

ECM 1575-80 Keith Jarrett 'at the Blue Note' (1995)
ECM 1575-80 Keith Jarrett ‘At The Blue Note’ (1995)

・Review
本作は3日間に渡って行われた6セットのライブを余すことなく6枚組で納めた作品である。アウトテイクなし、いわば音のドキュメンタリーのようなものだ。これをかければすぐにブルーノートに飛んでいける。一日中流していても全く飽きない。

ライナーノーツにはKeith Jarrett (キース・ジャレット)によるテキストが記載されている。是非、本作を購入し読んでもらい文章だ。

ニューヨークタイムスの批評はこうだ。

‘Jarrett makes each new note sound like a discovery … The music whispered and glimmered, seeking a pure, incorporeal song.’
New York Times, June 6, 1994

次のように訳せる。

「ジャレットは新しい旋律をあたかも発見であるかのように響き渡らせる。純度が高く、実体を持たない歌を探し求めながら、音楽は囁き、煌めいていた。」(1994年6月6日 ニューヨークタイムス)

各ソースから本作品に関する参加メンバーの発言を拾ってみる。

僕と同じように、ゲイリーとジャックは若いころ、ずっとスタンダードを聴いて育った。スタンダートは僕たちにとって、いわば第2の自然体みたいなものになっている。僕たちはこのスタンダードを、僕たちに与えられた共通言語として全て分かち合っているんだ。
Keith Jarrett (キース・ジャレット)「音楽の全てを語る」より

 

スタンダードをプレイする時に、その本質をいきいきと表現することは容易ではない。とても難しい。ただ単にスタンダードをプレイすることは簡単だけれどね。曲の内側に入って音楽をプレイする。これがキースやジャックや私が試しているやり方だ。何よりも先に、まず曲の内側に入り込んでしまう。
Gary Peacock (ゲイリー・ピーコック)

・即興について

聴き手としての人間んびこれほど深いところで触れることのできるのは、インプロヴィゼーションにおいてだけだ。他のものは全てある程度へだたりがある。ある人間が、まったくのゼロからその場で演奏しているのを君が聴くということは、君がその人間に触れているということだろう?どんな言葉より、ずっと深いふれあいだ。1音1音、全ての音がその場で、聴いている時に決定されて弾かれているのだから。
Keith Jarrett (キース・ジャレット)「音楽の全てを語る」より

最後にこの言葉で締めくくろう。

音楽が開いた世界は、私の世界でも私のものでもない。ただ、共有するために扉が開かれているだけだ。

・Catalogue
ECM 1575-80 Keith Jarrett ‘at the Blue Note’ (1995)

・Track list
CD 1
1.IN YOUR OWN SWEET WAY(Dave Brubeck)Keith Jarrett, Gary Peacock, Jack DeJohnette
2.HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON(George Gershwin)
3.WHILE WE’RE YOUNG(Alec Wilder)
4.PARTNERS(Keith Jarrett)
5.NO LONELY NIGHTS(Keith Jarrett)
6.NOW’S THE TIME(Charlie Parker)
7.LAMENT(J.J. Johnson)

CD 2
1.I’M OLD FASHIONED(Jerome Kern)
2.EVERYTHING HAPPENS TO ME(Matt Dennis)
3.IF I WERE A BELL(Frank Loesser)
4.IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING(David Mann)
5.OLEO(Sonny Rollins)
6.ALONE TOGETHER(Arthur Schwartz)Keith Jarrett, Gary Peacock, Jack DeJohnette
7.SKYLARK(Hoagy Carmichael)
8.THINGS AIN’T WHAT THEY USED TO BE(Mercer Ellington)

CD 3
1.AUTUMN LEAVES(Jacques Enoch, Joseph Kosma)
2.DAYS OF WINE AND ROSES(Henry Mancini)
3.BOP-BE(Keith Jarrett)
4.YOU DONT KNOW WHAT LOVE IS / MUEZZIN(Gene De Paul, Keith Jarrett)
5.WHEN I FALL IN LOVE(Victor Young)

CD 4
1.HOW DEEP IS THE OCEAN(Irving Berlin)
2.CLOSE YOUR EYES(Bernice Petkere)
3.IMAGINATION(Jimmy Van Heusen)
4.I’LL CLOSE MY EYES(William Reid)
5.I FALL IN LOVE TOO EASILY / THE FIRE WITHIN(Keith Jarrett, Jule Styne)
6.THINGS AIN’T WHAT THEY USED TO BE(Mercer Ellington)

CD 5
1.ON GREEN DOLPHIN STREET / JOY RIDE(Keith Jarrett, Bronislaw Kaper)
2.MY ROMANCE(Richard Rodgers)
3.DON’T EVER LEAVE ME(Jerome Kern)
4.YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO(Cole Porter)
5.LA VALSE BLEUE(Robert Wilbur)
6.NO LONELY NIGHTS(Keith Jarrett)
7.STRAIGHT, NO CHASER(Thelonious Monk)

CD 6
1.TIME AFTER TIME(Jule Styne)
2.FOR HEAVEN’S SAKE(Elise Bretton, Donald Meyer, Sherman Edwards)
3.PARTNERS(Keith Jarrett)
4.DESERT RUN(Keith Jarrett)
5.HOW ABOUT YOU(Burton Lane)

・Personnel
Keith Jarrett Piano
Gary Peacock Double-Bass
Jack DeJohnette Drums


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