
・Review
Egberto Gismonti (エグベルト・ジスモンチ)参加作品。7曲目に、DON QUIXOTE(Egberto Gismonti, Geraldo Eduardo Carneiro)が、最小限の編成で聴くことができる。Magicoでこの曲を聴き、一発で好きになってしまった曲だ。始まりは1985年のこの作品にあったのかと、感慨深い。源流がここにある。
アルバム全体を通しては、南米音楽なるイメージが強く、行ったこともない国ではあるものの、その国の情緒的な部分が音を通してにじみ出ている。端的にそれは楽器によってもたらされるし、フレーズ、音階によるものもあるが、何より、Egberto GismontiとNana Vasconcelosの2人によるケミストリーというべきものだろう。
Gismontiの作品をアルバム単位で聴き比べていくと、このアルバムのそうした特殊性が浮かび上がってくる。醸し出される雰囲気が如実に感じられるのだ。そこにアーティストの組み合わせの妙があるし、当人達に表現したいものの明確なビジョンと独立したモチーフによってのみ達成される音楽的な成功なのだと思う。
・Catalogue
ECM 1279 Egberto Gismonti, Nana Vasconcelos ‘Duas Vozes’ (1985)
・Track list
1.AQUARELA DO BRASIL(Ary Barroso)
2.RIO DE JANEIRO(Egberto Gismonti)
3.TOMARAPEBA(Traditional)
4.DANÇANDO(Egberto Gismonti)
5.FOGUEIRA(Egberto Gismonti)
6.BIANCA(Egberto Gismonti)
7.DON QUIXOTE(Egberto Gismonti, Geraldo Eduardo Carneiro)
8.O DIA, À NOITE(Nana Vasconcelos)
・Personnel
Egberto Gismonti Guitar, Piano, Flute, Dilruba, Voice
Nana Vasconcelos Percussion, Berimbau, Voice
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