
・Review
1962年生まれ、イタリア人ジャズピアニストであり、作曲家。Soundsculpturesというクレジット表記に彼なりのこだわりを垣間見る。副題?としてMusic for piano and percussionとあるように、ピアノを補完するサウンドとして、ベルやチャームの音がアトモスフェリックなニュアンスを醸し出している。これをしておそらく音を彫刻しているのが彼の指向しているものなのだろう。単なるピアノソロではない作品を作り上げようとしている意志の話だ。
Norma Winstoneのバックで弾いていたピアニスト、というのが私の印象だったがただのピアニストではないのだ。
彼の出自を追うと彼の発言として次のような記述がある。
“I grew up in a very small village in northern Italy, and I’m still living there. The Adriatic Sea is nearby, then rivers, lakes, hills. There’s a lot of silence.”
北イタリアのとても小さな村で育ち、未だにそこに住んでいる。アドリア海に面し、川、湖、丘が生活のすぐ側にある、静けさに溢れた土地に。
彼を育んだ土地が、まさに彼の作る音楽に如実に表れている。ピアノの背景に走る様々な音は実験的な試み以前に、自然からもたらされたものであり、彼の暮らす自然の音を表現したものに過ぎないのかもしれない。
・Video
・Catalogue
ECM 2385 Glauco Venier ‘Miniatures’ (2016)
・Track list
1.RITUAL (Glauco Venier)
2.TIZIANO’S PAINTING (Glauco Venier)
3.NO. 40 (Georges I. Gurdjieff, Thomas de Hartmann)
4.BYZANTINE ICON (Glauco Venier)
5.SERENITY (Glauco Venier)
6.ABSTRACTIO (Glauco Venier)
7.PRAYER (Glauco Venier)
8.GUNAM (Alessandra Franco)
9.MADIBA (Glauco Venier)
10.THE TEMPLE – WAR – LITANIES (Glauco Venier)
11.KRUNK (Komitas Vardapet)
12.AVE GLORIOSA MATER SALVATORIS (Anonymus C13)
13.VISIBLE SPIRIT (Glauco Venier)
14.DEEP AND FAR (Glauco Venier)
15.CE JOUR DE L’AN (Guillaume Dufay)
・Credit
Glauco Venier Piano, Soundsculptures
コメントを投稿するにはログインしてください。