
・Review
ECM Records (ECMレコード)における全ての始まり。原点であり、その未来を示唆する音。1925年、アメリカ生まれのピアニスト、Man Waldron (マル・ウォルドロン)の作品。音の強度で、ECMの現在の姿の端緒を感じることができる。美しさと頑なさ、そして音への狂気を。ジャズがもっともジャズらしかった頃と言ったら誤解があるだろう。この音がジャズを背負ってその先にジャズが続く5曲目のWILLOW WEEP FOR MEはAnn Ronellの曲。それ以外はMan Waldron (マル・ウォルドロン)作曲。音楽の文脈、政治的なメッセージ含め、歴史的な一枚。
ライナーノーツに記載されたというMan Waldron (マル・ウォルドロン) 本人の言葉を引用しよう。
「まず、私の最新アルバムを購入してくれたことに感謝します。お気づきのように、このアルバムで私は新しいアプローチを試みています。つまり、このアルバムは私とフリー・ジャズの出会いを記したものだと言えます。ただし私のボキャブラリーでは、フリー・ジャズはまったくのアナーキー、あるいは秩序を持たないサウンドを意味するものではありません。秩序のないサウンドとは、言ってみればノイズにすぎません。つまり、私はこのアルバムでコード・チェンジに基づいてソロを取っているのではなく、リズムに基づいて演奏しているということを言いたいのです。(中略)アルバムの制作は実に楽しい仕事でした。みなさんも私たちと同じ楽しみを享受してください」
・Catalogue
ECM 1001 Mal Waldron ‘Free At Last’ (1970)
・Track list
1.RAT NOW(Mal Waldron)
2.BALLADINA(Mal Waldron)
3.1-3-234(Mal Waldron)
4.ROCK MY SOUL(Mal Waldron)
5.WILLOW WEEP FOR ME(Ann Ronell)
6.BOO(Mal Waldron)
・Personnel
Mal Waldron : Piano
Isla Eckinger : Double-Bass
Clarence Becton : Drums
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