
・Review
Tigran Hamasyan(ティグラン・ハマシアン)のECMデビュー作。
アルメニアの聖歌をジャズ、クラシックの文脈で解釈してみせる。
彼のピアノと声のみを使って。
ここで取り扱われているのは5世紀から20世紀に該当する聖歌らしい。
ともあれ全編Tigran Hamasyan(ティグラン・ハマシアン)の旋律に染めあげられたアルバム。
1.OV ZARMANALI 1
1曲目のピアノから吹き飛ばされる。
異次元の美しさをたたえた小作品といったところ。
2.ANKANIM ARAJI QO
2曲目から、男性コーラスをバックが加わる。
伴奏、リードそして歌の隙間を縫って、
ここしかないタイミングで、
ここしかない音を差し込んでくる。
3.OV ZARMANALI 2
3曲目は一曲目の変奏、ピアノの自由な演奏と、後半の一体となった躍動感。
その後声に集約され、曲はゆっくりと始まったのと同じように、ゆっくりと収束していく。
4.HAYRAPETAKAN MAGHTERG 1
4曲目は、一層深く沈み込んだ雰囲気を醸し出しながら、
バックのピアノはダイナミズムをちらりちらりと垣間見せ、
最後は慈愛のような優しさに包まれていく。
5.BAZUM EN QO GTUTYUNQD
女性の声が主体となった曲。
水面のようなピアノ。
6.NOR TSAGHIK
後半にライヒを感じる。聖歌と現代音楽がここに融合する。
こうして後半へと続いていく。
素晴らしい作品だ。
・Catalogue
ECM 2447 Tigran Hamasyan, Yerevan State Chamber Chior, Harutyun Topikyan ‘Luys I Luso’ (2015)
・Track list
1.OV ZARMANALI 1
2.ANKANIM ARAJI QO
3.OV ZARMANALI 2
4.HAYRAPETAKAN MAGHTERG 1
5.BAZUM EN QO GTUTYUNQD
6.NOR TSAGHIK
7.HAYRAPETAKAN MAGHTERG 2
8.HAYRAPETAKAN MAGHTERG 3
9.HAVOUN HAVOUN
10.VOGHORMEA INDZ ASTVATS
11.SIRT IM SASANI 1
12.SURB ASTVATS
13.SIRT IM SASANI 2
14.ORHNYAL E ASTVATS
・Credit
Tigris Hamasyan : Piano, Prepared Piano
Yerevan State Choir : Choir
Harutyun Topikyan : Conductor
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