ECM 2372 Vijay Iyer ‘Mutations’ (2014)

ECM 2372 Vijay Iyer 'Mutations' (2014)
ECM 2372 Vijay Iyer ‘Mutations’ (2014)

・Review
Spellbound And Sacrosanct, Cowrie Shells And The Shimmering Sea
1曲目からピアノの独奏。独特のリズム感、間合い、フレージング。ジャズとクラシックを行ったり来たりするかのようなニュアンス。捉えどころがなく、強弱、押しと引き含め、曲が流れるように時間の経過とともに変化していく。一曲の中で見せるいくつもの顔。少し気をぬくともう違う曲になっているかのよう。これは一筋縄ではいかないなぁ、といい意味で思わせてくれる。まるで「さぁ、これについてこれるか」とでも言うように。

Vuln (Pt. 2)
低音と高音の電子音とストイックなピアノ。
面白いし、かっこいい。

Mutation I : Air
リズミカルな、ストリングスから曲は始まる。後半部のメロディとハーモニーがすごくいい。なんとも言えない味わいがある。ピアノなし。

Mutation II : Rise
とても実験的な曲。様々タイミングで様々な音色が飛び込み、一つの音の塊となって、迫ってくる。ピアノなし。

Mutation III : Canon
クラシックをベースにしながら、RISEと近しい構成を持ち込んでいる。更には序盤からピアノが絡んでくる。ややコミカルな作りに聴こえるが、頭が捻られる勢いの変拍子の中で、展開する壮絶なピアノとストリングの絡み。

Mutation IV : Chain
ストリングスから始まり、ピアノへバトンタッチする構成。ピアノソロ的な演奏が続いていく。その上で、徐々にバイオリンが、ビルドアップされ、やがてピアノが音量と合わせて高ぶっていく。

Mutation V : Automata
トリッキーかつソリッドな弦楽器からスタート。明確なメロディは存在しない。
中盤でフェードアウトし、一転してアンビエントな展開に。

Mutation VI : Waves
美しい曲。がやはりすんなりとは聴かせない。テンポが曲の中で自在に変わっていくのだ。壮大かつドラマティックな展開の中に、複雑な構造を持ち込むあたりに、「らしさ」、「個性」を感じる。

Mutation VII : Kernel
見所は中盤以降。ストリングスの断片と
ピアノの断片とが空間を埋め、静寂を作りながら、まるで生き物であるかのように音を奏でていく。 圧巻。

Mutation VIII : Claude
一転して音で隙間を埋め尽くす展開からスタート。めちゃくちゃスリリングだ。

Mutation IX : Descent
ピアノなし。三拍子と四拍子と五拍子のストリングスが複雑に絡み合い、ミニマルに展開していく。抜き差しが絶妙。脳みそをかき回すかのような曲。

Mutation X : Time
一篇の詩のように、美しい曲。
バックで聴こえるリズムは弦楽器のボディを叩く音だと思うのだが、どうなんだろう。

When We’re Gone
ピアノのみ。自由に弾いたかのように、様々な表情を見せるソロ。

 

・Video

 

・Catalogue
ECM 2372 Vijay Iyer ‘Mutations’ (2014)

・Track list
1.Spellbound And Sacrosanct, Cowrie Shells And The Shimmering Sea
2.Vuln (Pt. 2)
3.Mutation I: Air
4.Mutation II: Rise
5.Mutation III: Canon
6.Mutation IV: Chain
7.Mutation V: Automata
8.Mutation VI: Waves
9.Mutation VII: Kernel
10.Mutation VIII: Clade
11.Mutation IX: Descent
12.Mutation X: Time
13.When We’re Gone

・Credit
Vijay Iyer : Piano, Electronics
Miranda Cuckson : Violin
Michi Wiancko : Violin
Kyle Armbrust : Viola
Kivie Cahn-Lipman : Violoncello

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