
・Review
これはもうJan Garbarek(ヤン・ガルバレク)という名の音楽だろう。
彼はECMレコードのそこかしこに顔を出す看板アーティストでありながら、
ソロとなると異色の存在としてその個性を爆発させる趣きがある。
なにがそう感じさせるのだろう。
きっと理由はジャズともクラシックとも言えない音楽を彼が作るからだろう。
音楽中心主義を貫き、クロスオーバー、ボーダーレスといった考えが
ECMレコードの基盤であり、良さである。
何もジャズかクラシックでなければならないわけではない。
そんなものはとうにECMレコードは超越している。
だからこそ、とんがった存在でありながら、同時に市民権を得るという矛盾を突き抜けてきたレーベルだ。
ということをガルバレクは、ECMレコードと同様の思想を「アーティストベースで体現している存在」とも言える。
だからこそ、ガルバレクの音楽は、クラシックからも、ジャズからも離れ、
奔放に彼自身の音楽を奏でているように聞こえるのかもしれない。
その意味ではまさにECMレコードの看板アーティストの名に恥じない人物だ。
が、しかし彼のこのリーダー作が私にはなぜか合わないのだ。(Officiumは別格なのだが)
なぜだろう。
楽曲全体が少し古くさく感じられてしまうのだろうか。
そう感じる自分にすこし悲しく思う。
また時間をおいて聴いてみたいとおもう。
・Catalogue
ECM 1585 Jan Garbarek ‘Visible World’ (1996)
・Track list
1.RED WIND(Jan Garbarek)
2.THE CREEK(Jan Garbarek)
3.THE SURVIVOR(Jan Garbarek)
4.THE HEALING SMOKE(Jan Garbarek)
5.VISIBLE WORLD(Jan Garbarek)
6.DESOLATE MOUNTAINS I(Jan Garbarek)
7.DESOLATE MOUNTAINS II(Jan Garbarek)
8.VISIBLE WORLD(Jan Garbarek)
9.GIULIETTA(Jan Garbarek)
10.DESOLATE MOUNTAINS III(Jan Garbarek)
11.PYGMY LULLABY
12.THE QUEST(Jan Garbarek)
13.THE ARROW(Jan Garbarek)
14.THE SCYTHE(Jan Garbarek)
15.EVENING LAND(Jan Garbarek)
・Credit
Jan Garbarek : Soprano Saxophone, Tenor Saxophone, Electronic Keyboard, Percussion, Maraaker Clarinet
Rainer Brüninghaus : Piano, Synthesizer
Eberhard Weber : Bass
Marilyn Mazur : Percussion, Drums
Manu Katché : Drums
Trilok Guru : Tabla
Mari Boine : Vocals
コメントを投稿するにはログインしてください。